こんにちは!チームMICANGAです。
今日も「10代海外選手分析」をお届けします。この企画は、私たちがプロやアマチュア選手たちのサポートをする中で感じた「若い時期から海外の選手と自分を比較できる機会を増やしたい」という思いの元、海外の若手選手を解説していく企画です。
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選手紹介
今回は、日本人である三苫薫選手も所属するプレミアリーグのブライトンの若きストライカーエヴァン・ファーガソン選手の「攻撃の起点」解説します。
エヴァン・ファーガソン選手は、14歳で母国アイルランドでプロデビューを果たした、アイルランドの宝とも言われる選手です。
攻撃の起点とは何か?
「攻撃の起点」というフレーズはサッカー界でよく使われますが、その実態は何なのでしょうか。インターネットで検索してみると、多くの異なる解釈が見られます。
しかし、現代のサッカーにおいては、実はどのポジションでも攻撃の起点になる可能性があります。それは、ポジションや選手の役割によって求められるプレーが異なるからです。
ポジションによる違い
- ボランチ: 中盤でボールを受け、攻撃を組織する役割があります。彼らはパスとポジショニングで攻撃の起点となります。
- サイドハーフ: サイドハーフはフィールドの両サイドで活動し、クロスやドリブルで攻撃の起点を作ります。
- サイドバック: サイドバックは守備的な位置から攻撃に参加することが多く、しばしばサイドハーフと連携して攻撃を仕掛けます。
- ゴールキーパー: 現代サッカーでは、ゴールキーパーも攻撃の起点となることが増えています。長いキックや正確なスローで攻撃を始めることがあります。
エヴァン・ファーガソン選手の特徴と役割
彼の特徴は、ポストプレーで「攻撃の起点になれる」能力です。具体的には、以下の二つの目的を達成しています。
- 味方が攻撃に参加する時間を作る
- 味方が前向きでボールを持てる状況を作る
です。
そして、この目的を達成するためにファーガソン選手は
- 相手DFを直接身体で背負ってボールを受ける
- ポジショニング・動き出しで相手との距離をつくってボールを受ける
を常に意識してプレーをしています。
背負うポストプレー
ポストプレーといわれると最初にイメージされるプレーですが、この背負うポストプレーを発揮するのは主に3つの場面です。
自陣でボールを奪ってから早いテンポで攻撃に切り替える場面
ここでは、味方の上がりを待つための時間を生み出します。具体的には、彼がどのように相手DFをブロックし、ボールを保持するのかに焦点を当てます。
時間をかけてスローインを行う場面
スローインの際にも、味方が前向きにプレーできるような状況を作り出します。
相手陣地に押し込んだ場面
この場面では、少ないスペース利用し、ポストプレーでボールを収めることで味方と近い距離で連携を狙います。
背負うポストプレーでの身体の使い方
一般にポストプレーは「半身で受けろ」と言われることが多いと思いますが、センターフォワードが攻撃の起点をつくる場合、この感覚は間違いです。
というのも、味方と縦の関係でボールを呼び込み、相手DFの激しいプレスを身体で受け止めた上で、次のプレーの選択肢を左右に持っておく必要があるので、半身だと図のようにめちゃくちゃ都合が悪いんです。
ファーガソン選手もパサーに対して半身ではなく、正面を向いてをボールを呼び込んでいるのが分かります。
イメージとしては、
パサーにヘソを向けた状態でボールを呼び込み、ボールを受ける足と逆側の腕・背中のゾーンで相手を抑える
頭の軸と重心は残した状態で、相手のプレス強度に合わせて、背中を預ける
という感じです。
オフザボールの動きと戦術
これまでお話しした以外の場面、ファーガソン選手は自チームがボールを保持しているポゼッションのような場面では、オフザボールの動きで相手DFとの距離をとってボールを受けます。
その時のポイントとして下記の3つがあります。
- 相手DFラインと中盤の間のスペースで動く
- 相手の四角形もしくは三角形の間でボールを受ける
- 視野を確保し、前を向ける場面では前を向く
相手DFラインと中盤の間のスペースで動く
ボールの移動速度に合わせて動き、パスを引き出すタイミングで加速します。
相手の四角形もしくは三角形の間でボールを受ける
相手の四角形もしくは三角形の間でボールを受ける事で、多くの相手選手をひきつける事ができ、味方選手をフリーにすることができます。
視野を確保し、前を向ける場面では前を向く
ただ味方選手にボールを落とすだけでなく、前を向ける場面で前を向く事で、人数をかけた攻撃をすることができます。
まとめ
「攻撃の起点になれ」という指示には、具体的な目的とテクニックが必要です。エヴァン・ファーガソン選手のプレーは、味方が攻撃に参加する時間を作るとともに、前向きなプレーができる状況を作り出すことで「攻撃の起点」となっています。この記事を読んだ後、あなた自身がどのように「攻撃の起点」になれるか、具体的なステップを考えてみてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。では、また次回の記事でお会いしましょう。