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【🔍10代海外選手分析】リコ・ルイス選手の分析:能力はあるのに評価されない選手へ

こんにちは!チームMICANGAです。

今日も「10代海外選手分析」をお届けします。この企画は、私たちがプロやアマチュア選手たちのサポートをする中で感じた「若い時期から海外の選手と自分を比較できる機会を増やしたい」という思いの元、海外の若手選手を解説していく企画です。

今回は「能力はあるはずなのに評価されない」「自分の方が上手いのに、ライバル選手の方が重宝されている・贔屓されている」と感じている選手たちへ、求められる選手との差をお話していきます。

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選手紹介                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

今回取り上げる選手はペップが惚れ込んだ逸材、リコ・ルイス選手です。

彼は、先日チャンピオンズリーグ優勝、今シーズン3冠を達成したマンチェスターシティで、17歳からトップチームデビューを果たしている選手です。本職はサイドバックで、小柄な体格からはカイルウォーカー選手のような世界トップクラスのSBとポジション争いをしているようには見えませんが、ペップ・グアルディオラ監督が「マンチェスターシティにとって間違いなく素晴らしい選手になる」と絶賛した逸材です。

ペップ監督が特に評価しているのはリコ・ルイス選手の「インテリジェンス」、特にボールを持っていない時の「知性」です。我々はこのボールを持っていない時のインテリジェンスの部分に、求められる選手になるためのヒントなります。

サッカーにおける自分の役割とは?

具体的にどうすればいいのかという話をする前に、大前提として自分の役割が何によって決まっているか、からお話させてください。

サッカーは22人でやるスポーツなので、味方11人で実行する自チームの原則と、相手11人の状況に合わせた対策があります。それに加えて、相手より多くゴールした方が勝ち、というルールなので、少なくとも、得点確率を上げるための原則と対策、失点確率を下げるための原則と対策を、日々のトレーニングで磨いたり、試合中の流れに合わせて修正したりするのがサッカーです。

そしてこうした“コンセプト”とか“ゲームプラン”などと呼ばれるような、チームの全体設計を踏まえた上で、各選手・各ポジションに求める役割が決まっていきます。

なので、そもそもこの全体設計を理解していない選手は、「自分が求められる役割を実行できているかどうか」を振り返ること自体難しいということです。

マンチェスターシティの全体設計

この大前提を理解した上でマンチェスターシティを見てみると、基本的にシティは、ボールを保持して人とボールを動かしながら勝負する局面をつくる、という基本方針を元に、めちゃくちゃ対策してくる相手に合わせて、ボールと人の動かし方を変えています。

例えば最終ラインからのビルドアップの場面では、最終ラインのうち一人がアンカーの位置まで上がり、3-2-5の形をつくることで、再現性のあるプレス回避を行っています。

そして、相手が4-4-2の配置でプレスをかけてきた場合は、2トップの選手を中に絞らせてストッパーが運べるスペースを作り、

4-3-3の配置でプレスをかけてきた場合は、相手のサイドハーフまで惹きつけることで、攻撃側で数的同数以上をつくる

4-2-3-1のような配置の場合は、相手トップ下の両脇にボランチの選手がポジションを取り、サイドハーフが絞ってこなければボランチが運ぶ、サイドハーフが絞ってきたらストッパーからWGへパスを出す、

という相手に合わせた選択肢を持つようになっています。

リコ・ルイス選手の役割

こうした全体設計の中で、リコ・ルイス選手は攻撃時と守備時で異なる役割をこなすことができます。

まず、リコ・ルイス選手は攻撃の時、基本的にはボランチに入って主に三つの役割を実行しています。

1つ目は、ビルドアップ時に、ボールホルダーとマッチアップしている相手選手の斜め後ろにポジションを取ること。


2つ目は、CBからWGへのパスコースを作り出すこと


3つ目は、WGの選手が仕掛ける以外の選択肢を持てるよう、迂回するためのパスコースをつくること。

一方、守備の時はサイドバックとして役割を実行します。相手のウイングやサイドハーフをできる限り前を向かせないように対応しながら、味方CBの背後のスペースをケアするというのを基本に、相手の攻撃スタイルに合わせた対応を行っていきます。

リコ・ルイス選手の評価

リコ・ルイス選手の凄さは、これまで述べてきたようなチームの全体設計を理解した上で、攻撩と守備で別々の役割を確実に実行できる、ポジショニングやプレー選択を間違えずに繰り返すことができるというところです。

結果的に、ペップ監督からの高い評価に繋がっています。「(自分のためにプレーする選手もいるが)彼はチーム全体のプレーを改善する力がある。彼は非常に知的で、とても謙虚で、一瞬ですべてを理解し実行できる。彼はとても賢いんだ」と監督は語っています。

まとめ

上を目指す選手であればあるほど、自分の能力を向上するための努力と同時に、求められる選手になるための「頭の努力」も必要になります。

そのためには、まずリコ・ルイス選手のように、チーム全体の原則や試合の対策を深く学んだ上で、自分が担う役割を理解できるようになるというのが重要です。

それでは、今回の記事はここまでです。また、次回の記事でまたお会いしましょう。


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