日本時間の2022年6月6日19時20分に新国立競技場で日本代表はFIFAランキング1位のブラジルとの親善試合を行った。
この記事ではメモではその試合で見られた日本が抱える問題点について書いていこうと思う。
まず両チームのスターティングメンバーは
日本 4-3-3
日本はいつもどおりの4-3-3で現状の監督の考えているベストメンバーで挑んだ試合になりました。
ブラジル 4-4-2
ブラジルは予想通りの4-4-2で、前線の2トップは世界のスター選手が並ぶスターティングメンバーになりました
結果に一喜一憂すべきではない一戦
この試合チケットサイトが販売開始と同時にサーバーダウンするほど注目度が高い試合で、新国立競技場には6万人を超える人が詰めかけ、世界的スターと日本代表の試合を待ち望む人が多くいた。
またブラジル代表は今回の日本との対戦前に韓国と対戦をして、5-1という大差で勝利を収めていたこともあり、日本代表がどの様な戦い方をするのか、韓国代表のように大量失点してしまうのではないかというか、という様々な要素が絡まった一戦となった。
その結果は知っての通りブラジル代表のネイマールが後半32分にPKを決め、それが決勝点となり1-0でブラジル代表が勝利をしました。
結果だけを見れば「ブラジル代表相手に1点しかとられなかった」、「世界的スターを良く抑えた」という声が聞かれるのも不思議ではないでしょう。
確かに日本代表の守備はブラジル相手に身体をはった全員守備でゴール守り抜いていて、またGKの権田選手が神がかり的なセーブを繰り返していたも事実で評価できるポイントであることは間違いないと思います。
しかしこれらの評価は全て守備面においての評価でしかないのもまた事実で、W杯本番ではブラジルと同様の強豪であるチームの特に同組のスペイン・ドイツからは得点を奪わなければなりません。
ではその攻撃面にフォーカスを当てて話しをしてみると、これまで日本の攻撃の中心であった伊藤選手、そしてW杯出場を決めた三苫選手の2人は得意の1対1の局面でのこれまでの輝きを見せることはなく、ブラジルDF陣に完璧に抑え込まれてしまっていました。
また試合のデータとして同じブラジルと対戦をした韓国と比較をしてみてみると
日本
ボール保持率48%
総シュート数7本
枠内シュート0本
シュート精度0%
韓国
ボール保持率41%
総シュート数7本
枠内シュート6本
シュート精度86%
となっており、韓国の方が日本と比べてボール保持率が低くシュートの本数は同数であるにもかかわらず、枠内シュートの数値であるシュート精度は韓国は86%で7本中6本シュートを枠内に飛ばしていました。
韓国はブラジル戦において完全に自陣に引き込むことでカウンターのスペースを作り出し、そのスペースを使ったカウンターで何度も惜しいシーンを作り出していました。
この韓国がとった戦術は確実にチームとしてデザインし、ブラジル相手に勝利するために作った戦術であったと考えることができます。
それに対して日本は攻撃において枠内シュートはなし、惜しい場面すらほとんどなく、お世辞にも攻撃をチームとして作っているようには見られませんでした。
これが日本が抱える大きな問題点であると言えます。
これまで日本の攻撃は伊東と三苫というアジアでは突出したこの能力を持つこの2名を中心に組み立てており、言い換えれば個の力に頼り切ったものでした。
それが前述しましたが全くと言って良いほどブラジル相手には通用しなかった。この事はかなり大きな問題であり、深刻にとらえなければならない問題です。
単にテクニカルなだけではない流動的なブラジル代表
ではこの問題をどのようにして解消をするか、その解決策の1つは先日の対戦したブラジル代表の攻撃にあったように思います。
ブラジル代表は4-4-2のシステムで2トップに本来2列目を得意とするネイマールとルーカスパケタを配置しました。
そんな彼らの攻撃はいわゆるゼロトップといわれるもので2トップはどちらも自由に動きボール引き出しに行き、中央のスペースを空け、そのスペースを他の選手が自由に飛び出していくような攻撃でかなり流動性が高い攻撃でした。
この攻撃は世界的に見て、取り入れているクラブは多くありますがその先駆けは今シーズンのPL覇者であるマンチェスターシティです。
そんな彼らのチームとブラジル代表の共通する点はどちらのチームも9番タイプ(CF)がいないことがあり、その代わりに2列目を得意とする選手が多くいる事が挙げられます。
この特徴は日本代表にもいう事ができ、2列目においては日本は多くのタレントを抱えています。
もちろんそれだけでゼロトップの戦術が上手くいくとは言えませんが、ゼロトップにするだけで日本が誇るタレントを試合に出すことができ、また流動性を作ることで選手個々人が得意なエリアを自由に使うことができます。
なによりこの戦術を試してほしいと思わせてくれるほどの選手が日本には多く在籍し、実際に彼らが実行している見てみたい戦術であり、私はかなり機能すると思います。(具体的なフォーメーションやメンバーは別途投稿するかもしれません)
大きな価値のあった今回のブラジル戦
このようにブラジル戦での日本には攻撃面において大きな課題が見られ、これはW杯本番までに確実に解消しなければならない問題であることは間違いありません。
しかしポジティブに考えていきましょう。「今わかってよかった」と。
まだ今月だけでも2試合、W杯までにもまだ強化試合は多く組まれる予定です。
この期間でデザインされた個に頼らない攻撃を作り上げることができれば、十分世界と戦うことができると思います。
日本代表がW杯本番の舞台で世界の強豪相手に勝利を収める姿を期待して、これからも応援していきたいですね。