日本語以外の言語能力向上
実は、日本はプロサッカー選手を目指す上で最も不利な国の一つだと言われる。なぜなら、才能ある数多くの選手が、非常に少ない座席を取り合っているからだ。(※その他にも制度や文化的背景など様々な理由が挙げられている)
日本人選手である以上、まずはJリーグを目指すのは大前提。だが、本気でプロの世界を志すのであれば、当然国外へ挑戦することも視野に入れて準備をしておくべきだろう。
大学在学中、大学卒業後、Jリーグを数年経験した後、、、
どのタイミングになるにせよ、海外挑戦を少しでも夢見ているのであれば、一朝一夕では身につかない”言語” の学習にはできる限り早い時期に取り掛からなければならない。
参考)マンチェスターシティでは、共通言語でのコミュニケーションを重視し、10年以上前から海外選手の語学学習に投資している
頭でわかっていても、9割以上の人が手をつけない語学。難しく考えることなく、まずは取っ掛かりやすいところから習慣化することをおすすめする。
汎用性の高い英語から学習するのがセオリーだが、学びたい言語が明確ならばそちらを優先して学習すべきだ。目標が明確であればあるほど習得効率が上がるうえに、「日本語以外の言語を扱う」という行為そのものが、言語能力を向上させる最も効果的な手法だからだ。
更に上を目指すために取り組むこと
サッカーの原理原則を学ぶ
サッカーは常に”判断”が求められるスポーツであり、素早く適切な”判断”ができる選手はどのカテゴリーでも重宝される。そのため、欧州などのサッカー先進国では、幼少期〜16歳までの間に”判断力”を磨くためのトレーニングを徹底して実施していると言われる。
この“判断力”の土台となるのが「原理原則」である。攻守で有効なプレーを選択するための、いわば基本ルールのようなものだ。
当然、状況が変われば正解が変わるため、全てのプレーを原理原則に沿って実施するわけではない。だが、公式を知っているだけで数学の応用問題が解きやすくなるように、原理原則を身につけることが判断力向上に役立つのは間違いないだろう。
しかしながら日本には、この「原理原則」を学ぶのが難しい構造的な原因がある。(特に中体連・高体連でその傾向が強いとされている。)
詳細は長くなるため別の機会に話したいと思うが、1学年50〜100人の部員を抱え、主要大会では常に結果を出すことが求められる指導者の立場を考えると、原理原則を教えるための時間的猶予が少なすぎることは明白だとわかるはずだ。
だからこそ、自発的に情報収集を行える大学生の選手には、改めてサッカーの原理原則を学ぶ機会をつくり、本質的なレベルアップを目指していく必要がある。
個人分析官によるプレー分析
本気でステップアップしたいのであれば、ごく一部のJリーガーが取り入れている”個人分析官”に、定期的なプレー分析を依頼することも効果的だ。
欧州などでは一般的に行われているこの個人分析では、数試合分の試合映像からプレーの傾向を洗い出し、国内外のトップ選手と比較して改善点や特性を分析する、という作業を行うことになる。
これらの分析結果をもとにレポートやミーティングを通じて自分のプレーを振り返り、日々のトレーニングに落とし込んでいくような機会を、少なくとも一ヶ月に一回程度設けられると、成長を大幅に加速させられる。
ただし、数万円〜数十万円かかる分析を継続するのは非常に大変だと思うため、まずは試しに一度依頼をしてみて有用性を確かめてみるのが良いだろう。
本記事は「新大学1年生選手が4年後のためにやっておくべきこと」というテーマでお話しさせていただいた。何か一つでも学びを得ていただけたのであればと思う。